2日投票のロシア大統領選で勝利したメドベージェフ氏(第1副首相)は、プーチン路線の継承を約束した。
プーチン大統領は、新政権で首相に就任する意向を示しており、メドベージェフ氏に大統領職をバトンタッチした後も院政を敷くとの声が出ている。
メドベージェフ氏(第1副首相)は当選確実になった後、プーチン大統領と共に支持者の前に姿を現し、新たな二人体制によるロシア政治を印象付けた。
ロシア国民の多くは、原油輸出を主なけん引役とする記録的な景気拡大の恩恵を享受しており、メドベージェフ氏がプーチン大統領の後継者になることを自然と受け止めた。
開票がほぼ終了した段階で、メドベージェフ氏の得票率は70%をわずかに下回る水準に達した。野党勢力は、選挙は一方的な茶番と批判。立候補を認められなかったカシヤノフ元首相はロイター対し「これはKGB内の権力移譲だ」と述べた。
メドベージェフ氏は記者会見で、大統領としての方針は8年にわたるプーチン路線をそのまま継承することだと表明。
しかし、首相に大統領の権限を侵害させない姿勢も明確にし「大統領の中枢機能はクレムリン(大統領府)にある。首相の決まった執務場所はホワイトハウス(ロシア政府ビル)だ」と述べた。
<外交問題で強硬姿勢を維持>
メドベージェフ氏は、コソボ問題、米国の東欧へのミサイル防衛拡大構想などについて強硬姿勢を放棄しない姿勢をみせた。
「われわれは、可能なあらゆる手段、もちろん法に則った形でだが、国益を守ることを主目標としつつ、過去8年間とっていた独立した外交政策を進めるべきだ」と述べた。
西側の選挙監視団は、すでに大統領選挙は公平さに欠けると批判している。クレムリン筋は、メドベージェフ氏の圧勝だからといって不公平ということにはならない、と主張。選挙管理委員会幹部も、結果に疑問を投げかけるような不正は感知していない、と述べている。
米大統領選挙の民主党候補指名を目指すクリントン上院議員は、ロシア大統領選挙の結果を「民主主義からの後退を意味する一里塚。ロシア国民は指導者を選ぶ機会を奪われた」と述べている。
しかし、ロシア有権者の声は、海外、国内の一部の批判とは異なる。南部イングーシ共和国では「ロシアはルネッサンスのただ中にある。この国にには引き続きこの道を進んでいって欲しい」(男性、53歳)との声が聞かれた。
(出展:ロイター通信)
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